債務整理は結婚相手にバレるのか？結婚生活に影響はあるのか？

「債務整理を考えているけど結婚相手にバレるのかな…？」と悩んでしまい、なかなか債務整理に踏み出せないという方は、少なくありません。

債務整理をすると、結婚にどのような影響があるのでしょうか？

この記事では、結婚に関する債務整理の悩みついて詳しくご紹介していきます。

結婚前の債務整理は「任意整理」がおすすめ

借金の問題は、そのままにしておくと結婚生活にも影響が出てきます。

例えば、仕事や養育費など様々な要因で、収入が減少した時に、一人では抱えきれずに発覚することが多いでしょう。

また、住宅ローンを組む際にも収入に見合った借り入れができないと配偶者に不審に思われることもあります。

幸せな新婚生活を送っていくためには、できるだけ結婚前に債務整理をして、借金問題に解決の目処をつけておく、あるいは完全に解決しておくことが大切です。

債務整理の中でも最もおすすめな手続きは「任意整理」です。

任意整理がおすすめな理由

任意整理とは、お金を「貸している側」と「借りている側」が直接交渉することによって、借金額や返済方法を決め、3~5年で完済できるように借金を減額する手続きです。

利息制限法を超える利率での取引があれば借金が大幅に減額されることもありますし、過払い金が発生してお金を取り戻せることができる可能性もあります。

また、任意整理は債務整理手続きの中でも比較的手間がかかりませんし、弁護士・司法書士の費用も安く収まります。

債務整理の中で最も多くの人が利用している手続きです。

借金問題を解決するなら、まずは任意整理から検討するのがおすすめです。

もし任意整理でも返済できそうにない場合は、自己破産をして借金を0にしてもらうことも検討する必要があるかもしれません。

手遅れにならないためにも、結婚を控え、借金問題を抱えている場合には、結婚前に早めに任意整理などの債務整理手続きをとることが必要です。

この他にも、住宅ローンを抱えていて自宅を守りたい場合などには個人再生という手続きなどもあります。

債務整理をする場合には、ご自身の借金状況に応じた適切な手続きを選択する必要があり、自分で手続きをすすめるのは現実的ではありません。

まずは弁護士や司法書士に相談をしましょう。

結婚前の「自己破産」と「任意整理」を比較

結婚前や結婚後に債務整理をする場合、どのような債務整理方法をとればよいのかは、借金の状況などによって変わってきます。

ほとんどの人は、自己破産か任意整理を選択することになると思います。ただ、任意整理によって効果的に解決することができる場合が多いです。

ここからは、任意整理による解決が有効である理由についてご紹介していきます。

結婚前に債務整理をした場合

結婚前に債務整理をすると、どのような影響があるのでしょうか。また、どの債務整理を利用するのが良いのでしょうか。

結婚相手に借金問題を打ち明けていない場合、債務整理の事実を伝えるかどうかも迷うでしょう。

ここでは、債務整理の代表的な手続きである任意整理と自己破産を例にご紹介していきます。

任意整理をすると結婚生活にどんな影響があるのか

任意整理とは「債権者と直接交渉をして借金の返済額と返済方法を見直す法的手続き」です。

任意整理をすると、将来利息をカットすることができるため、月々の返済金額が減り、返済がラクになります。

このように無理のない返済計画に見直すことで、完済まで返済を継続できるようになります。

しかし、任意整理は、手続き後から見直した返済計画で、実際に借金を返済していくことになります。そのため、結婚前に任意整理をした場合でも、結婚後にしばらくの間、返済し続ける必要があります。

たとえば、結婚後に仕事をやめてしまったり、妊娠して働けなくなった場合などには、任意整理の支払いが難しくなるリスクはあるため、この点は注意が必要です。

しかし、任意整理では、無理のない分割払いに変更することができるので、毎月の負担はかなり減ります。

結婚して仕事を辞めてしまったり、パートだけの収入になってしまったとしても返済を続けることができます。

パートナーの収入があれば、家計の中から内緒でやりくりをすることも可能です。

自己破産のほうが結婚への影響が大きいのか

次に、結婚前に自己破産する場合を考えてみます。

自己破産とは「裁判所に申立をしてすべての借金支払い義務をゼロにしてもらう手続き」です。

自己破産をすると、借金は完全に無くなるため、手続き後の返済が残りません。

そのため、任意整理のように、結婚後も債権者への支払いが残らず、結婚生活への影響は少なくなります。

ただし、自己破産をすると、任意整理の場合よりもブラックリストに登録される期間は長くなってしまいます。

ブラックリストに登録されていると、住宅ローンを組む際などに借り入れができなくなるなどの影響が出てしまいます。

問題が深刻になる前に、弁護士や司法書士に相談しましょう。

結婚して苗字や戸籍が変わるとローンを組める？クレジットカードは使用できる？

結婚すると戸籍や苗字が変わります。この場合、ブラックリストでもローンやクレジットカードの利用ができるようになるのでしょうか。

個人信用情報は、氏名によって管理されているので、名字が変わったら消費者金融や銀行が個人信用情報を追いかけられなくなり、以前に債務整理したことを記録で追うことができず、ローンが利用できるのではないかということです。

苗字や戸籍が変わっても個人信用情報もきちんと管理されている

結婚して名字が変わったからと言ってローンやクレジットカードを利用できるようにはならないと考えておいてください。

ひと昔前は、結婚して名字が変わると、旧姓時の借入の情報を追いかけることができず、本来ならブラックリスト状態のはずの人でもローンやクレジットカードを利用することができることがありました。

しかし、現在では、のような問題が起こらないように、その後クレジットカード会社や銀行等は情報管理を強化しています。

具体的には、借入の申込時に旧姓を書かせる欄を設けるようになりました。このことによって、旧姓時での借入情報も追いかけられるようになっています。

また、本人確認書類として、運転免許証の提示を要求してその番号を控えるようになりました。結婚して名字が変わっても、運転免許証の番号までは変わらないので、やはりここで以前の借入の情報が判明してしまいます。

もちろん完璧とは言い難いですが、結婚後に抜け道をとるような行為こそ、バレれば配偶者に迷惑をかけます。

結婚後に債務整理をした場合の影響とは

結婚後に債務整理をすることもあると思います。この場合には、どのような影響があるのでしょうか。

結婚相手に内緒のまま債務整理できるのか

結婚後に債務整理をする場合、一番気になるのは結婚相手にバレないかということでしょう。

「結婚相手に迷惑をかけたくない」、「借金のことを知られて信用を失いたくない」などと心配する人も多いでしょう。

この点は、債務整理の手続きを弁護士・司法書士に任せるかどうかで結果が大きく変わってきます。

債務整理は、弁護士や司法書士に手続きを依頼すると、家族にバレる可能性は非常に低くなります。

弁護士や司法書士に依頼した場合、債権者は、弁護士や司法書士を通じてしか債務者と連絡をすることができなくなります。そのため、債権者から自宅に電話がかかってくることもありませんし、督促の郵便物が自宅に届くこともなくなります。

借金が家族にバレる時によくあるパターンは、債権者からの郵便物や電話に家族が対応してしまうことです。

弁護士や司法書士に手続きを依頼して、債権者からの連絡が自宅や自分に来ないようにするだけで、家族にバレるリスクをほとんどなくすことができます。

これに対して、手続きを自分ですすめた場合には、債務整理が配偶者にバレる可能性が極めて高くなります。

督促の連絡が自宅や自分に直接来ることになります。また、自分で債務整理手続きをすると、自宅でいろいろな文書を作成したり、計算をしたりしなければなりません。さらに、債権者とも頻繁に連絡をとることになります。

当然、一緒に暮らす家族は不審に思うはずです。これらの作業を、配偶者に知られないままやり通すことはほとんど不可能です。

債務整理は結婚相手に打ち明けるべき？バレる可能性はあるのか

債務整理をしたことを結婚相手に打ち明けるべきでしょうか。

後から債務整理をしたことがバレてしまうと、相手にとって印象が悪くなってしまう可能性が高いです。

結婚直前や結婚直後にバレた場合など、結婚話が破談になったり、離婚騒ぎに発展することもあり得ます。

このようなリスクを考えると、打ち明けてわかってくれそうな相手なら、打ち明けてすっきりしておいた方が良いでしょう。打ち明けると大騒ぎになって破談になりそうな場合には、リスクをとって打ち明ける必要はないでしょう。

なお、結婚前に債務整理をしたからと言って、結婚相手に債務整理が知られてしまうことはありません。任意整理などであれば、家族にバレずに手続きを進めることもできます。

ただし、債務整理をすると、ブラックリストに登録されてしまうため、結婚後になぜかクレジットカードが作れないなどの問題が発生し、結婚相手から不審に思われて債務整理がバレる可能性はあります。

しかし、ブラックリスト自体は、債務整理以外に借金を数ヶ月滞納した場合などにも起こるので弁解はできます。

債務整理をせずに借金の返済を滞納してしまい、結婚後に消費者金融などの業者から督促が来てパートナーにばれてしまうほうがよっぽどリスクが高いです。業者からの督促状は滞納後早ければ1〜2か月で自宅に届いてしまいます。

少しでも悩んでいる方、弁護士・司法書士に相談して債務整理についての不安をなるべく早く解消しておきましょう。

債務整理で最大のデメリットはブラックリスト登録｜結婚への影響について

債務整理をするとブラックリストに登録される

これまで何度か話に出てきているように、債務整理をすると、信用情報機関が保有している個人信用情報に事故情報が記録されてしまいます。

消費者金融やクレジットカード会社、銀行などの金融機関は、融資の審査の際に個人信用情報を確認しています。

この時に債務整理したことが判明して、融資の審査に通らなくなってしまいます。このような状態のことを「ブラックリストの登録される」と言っています。お金にルーズな要注意人物ということです。

そのため、債務整理をすると、ローンやクレジットカードなどの利用をすることができなくなります。

ただし、債務整理をして個人信用情報に事故情報が記録された場合、永遠にブラックリストとして登録されるわけではありません。債務整理後一定期間が経てば、事故情報は消去されます。

任意整理の場合には、どの信用情報機関でも、事故情報が残る期間は手続き後5年ですが、自己破産の場合には、KSCの場合には10年間事故情報が残ります（CICとJICCの場合は5年間）。

自己破産をした場合には、手続き後に銀行ローンなどを利用出来るようになるまでに10年の経過が必要になってしまいます。

このことは、結婚生活にも影響を与える可能性があります。

結婚相手が債務整理をしていた場合、自分に影響はあるのか

自分だけでなく、相手が債務整理をしていることも考えられます。

過去に債務整理をしてブラックリスト状態になっている人と結婚した場合、どのような影響があるのでしょうか。

この場合もあなたが債務整理した場合と同じです。

債務整理した事実があれば、結婚相手が一定期間はブラックリストに登録されているため、相手の名義ではローンやクレジットカードなどの利用をすることができません。

たとえば、夫婦で話し合って自宅を購入する場合にも、結婚相手の名義では住宅ローンは組めませんし、車のローンも組めません。

また、ブラックリスト状態だと連帯保証人になることもできないので、住宅ローンの連帯保証人になることもできません。

なお、結婚相手がブラックリスト状態であっても、自分の個人信用情報には影響はなく、自分名義であればローンやクレジットカードの利用はできます。

個人信用情報は、個人ごとで管理されているため、たとえ配偶者や親子などの家族であっても、他の人の債務整理などの個人信用情報が影響を及ぼすことはありません。この点は、安心して問題ありません。

次に、結婚後に債務整理をした場合はどうでしょうか。夫が債務整理をしても妻が債務整理をしても、基本的に影響は同じです。

結婚相手が債務整理をしたからと言って、自分に対して借金の返還請求をされることはありません。

結婚相手が債務整理したことで自分の個人信用情報に事故情報が記録されたり、ブラックリストに登録されることもありません。

借金や債務整理はあくまで個人個人のものなので、たとえ配偶者が債務整理しても、自分には何の影響もありません。

ただし、結婚相手が債務整理をすると、配偶者はブラックリスト状態になって配偶者名義ではローンやクレジットカードの利用ができなくなります。

したがって、夫や妻が債務整理をすると、配偶者名義でローンが組めなくなるので、住宅ローンなどを利用したい場合には、自分名義ローンを組むしかなくなるなどの影響があります。

いずれにしても、結婚前に借金問題を抱えている場合には、早めに手続きをとることが必要です。

弁護士・司法書士に相談して、あなたの状況に合わせた解決策を提案してもらいましょう。

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