個人向けローンが利用しやすくなり、便利になった一方で、借金で苦しい生活を強いられている方がたくさんいます。
借金で苦しくなるのは、必ずしも借金の金額が大きい場合だけではありません。
最近傾向としては、借金の金額はそこまで大きくないにも関わらず、苦しい生活が続いている状況という方が多くなっているようです。
借りたお金が少なくても、借金が返済できないという状況になるということです。
そのため、「今回だけだから…」「たった数万円だけだから…」などと油断するのは危険です。
「このままでは返せない…どうしよう」、そんな方が返済していく方法を、事例でご紹介していきます。
目次
事例の紹介
今回の事例でご紹介する、相談者とご家族の構成は次の通りです。
- 相談者:
宮田由紀さん(仮名)44歳、主婦
- 家族構成:
夫(45歳)
子供2人(小学生)の4人家族
それでは、宮田さんの事例をご紹介していきます。
毎月ギリギリで…返せないことも…
子供の教育費や保険料などで毎月の生活がギリギリでした…でも、毎月収入でのやりくりが難しいからと、借入に手を伸ばしてしまうのは、本当に危険だな、と今は思います。
このような状況で、夫の給料が下がりました。これがきっかけで「あと少しお金が足りない」という月が続くようになりました。
経営状態が思わしくなく、その年のボーナスがいきなり3分の1もカットされました。また、働き方改革で残業代も少しずつ少なくなりました。
これくらいなら大丈夫と思っていましたが、このちょっと足りない状況が長く続くと、精神的にも辛くなってきました。
その結果、クレジットカードなど手持ちのカードのキャッシングで「少しの間だけ、少しの金額だけ」という気持ちでお金を借りて、その場をしのぐことが増えていきました。
たくさんは借りていません。一度に1万円を借りるくらいです。
たった1万円でも積み重ねるとキャッシングの借金が、あんなに膨れ上がるなんて、想像もしていませんでした。
気がついた時には、もう返せない…
借りるということは、返さなくてはいけないということです。当たり前のことでしたが、当時はその月の収支ばかり気にしていて、先のことがきちんと見えていませんでした。
なんとかなる…と思っていました。
1つのクレジットカードでの借金で済めば、リボ払いで毎月1万円を返すだけでよかったのですが、実は3社のクレジットカードから借金をしていました。
当然、毎月3万円を返済しなくてはいけなくなります。ショッピングもしていたので、毎月の支払いは収入の大きな割合を占めることになりました。
「ボーナスが入れば、完済できる」と期待しながら、毎月3万円増えた支払い(返済)を補うために、さらに消費者金融も利用しました。
昨年度は、主人も平年並みの給与があったため、クレジットカード会社分も含め総額100万円を超える額を借りようとしても総量規制の上限に達することがなく、問題なく借りることができてしまいました。
当時は、気がついていませんでしたが、これが「まわし」というお金の借り方なんですね…
借金で借金を返済する自転車操業の始まりです。
徐々に毎月の返済額が大きくなる
消費者金融でカードを作り、数年はその1枚で何とか借りては返すを繰り返してきましたが、そのカードも限度額に近づいてしまいました。
「これが使えなくなったら、また申し込みに行けば大丈夫」と当たり前のように考えてしまいましたが、「いったい、毎月全部の会社分あわせていくら返しているんだろう…」という考えも頭をよぎりました。
そこで、きちんと計算をしてみると、借金はあっという間に膨らんでいました。
- クレジットカード会社 3社 120万円
- 消費者金融 1社 30万円
毎月1万円足りないだけだったのに、気がつくと合計150万円、毎月の返済は45,000円です。
これにショッピングの利用代金も支払いが必要です。これだけ支払ってしまうと、もう現在の収入では生活できません。
この数字を見て、本当になんとかしないとまずいと思い、インターネットで見かけた弁護士事務所に相談しに行きました。
手取り32万円、生活費29万円、差額はわずか3万円
「根本的な借金の解決には、まずは借金の圧縮と家計の見直しが必要、ここで棚卸しができれば、次に貯金を始める」ということでした。
主人の給料は手取り32万です。生活は子供の学校にかかるお金や希望してやっている習い事などもあり、29万円です。ここから毎月残せるお金は3万円になります。
しかし、ここから返済しようとすると、そうしても15,000円は不足してしまいます。この不足分をまた借りてしまうと、毎月1万5千円以上ずつ借金がさらに増えていきます。
この程度の金額であれば、家計を見直し、返済条件を交渉することで、借金を返済していけそうだと言ってもらえました。
ここでは任意整理を提案してもらいました。家計的にも、返済が減り、それに節約が伴えばかなり変わっていけそうです。
任意整理は、借金を整理する手続きである債務整理の中で最も利用しやすい手続きで、債務整理をする人のほとんどは「任意整理」で借金問題を解決しているとのことでした。
同じように借金に苦しんでいる方が多く、解決できているという情報は、少し励みになりました。
きちんと借金を整理して、生活を立て直そうと決意しました。
任意整理 | 不明(推定200万人以上) |
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個人再生 | 10,488 |
自己破産 | 76,015 |
特定調停 | 32,704 |
(出展:最高裁判所事務総局による司法統計)
思い切って「任意整理」をしてみて
弁護士に手続きをしてもらい、まずは督促が止まったことで、精神的にもゆとりができ、家計の見直しに取り組めるようになりました。
その数ヵ月後には和解通知が来ました。和解条件で返済が始まりましたが、借金は総額で100万円ちょっと。50万円近く借金が減りました。
これを3年で払うため、毎月振り込み料を入れても3万円でなんとかなりそうでした。
家計の見直しについては、固定費の見直しをし、掃除をしたり、本当に必要なものを考えるなど、貯金体質に変わる練習もしました。
その結果、支払いが始まるころには30万の生活費を27万円に落とすことができました。返済をしていても、毎月2万円ずつ貯金できます。
子供の進学など、これから様々なライフイベントや自分たちの老後にたくさんのお金がかかることがあるのに、借金ばかりでその準備ができず、すごく不安でした。
もう少し早く相談に来ていただけていれば、債務整理をしなくてもすんだのではないかな、と思いますが、まずは貯める習慣もでき、これからはあまり心配ないのではないかと思っています。
最近は金額の低い借金で困っている人が増えている
個人ローンがしやすくなり、借金することに寛容になっていることもあり、少し前とは違って、「債務整理をしなくてもなんとかなるのでは…」と自分で判断できる少額の借金で困ってしまう方が多くなっています。
何とかできそう、と思っているうちに、問題が深刻化してしまうようです。たとえお金を借りたとしても、収入で返せなくなったら危険信号です。
金額によりますが、ボーナスで返済してもう2度と借りないようにする、または返すあてがなければ、早めに専門家に相談することをおすすめします。
借金の減額や分割払いができる「債務整理」
債務整理とは、「弁護士や司法書士に依頼することによって、借金の元本の減額や将来利息の免除などができる、国が認めた法的手続き」です。
弁護士や司法書士が行う法的手続きをいうとハードルが高く、「自分には関係ない…」と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、債務整理は、基本的にどなたでも利用できる国の救済措置です。
毎年200万人以上(※推定)が債務整理で借金問題を解決しているとも言われています。
この債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停の4つがあります。
任意整理 | 裁判所を通さず、弁護士や司法書士が貸金業者と交渉することで、将来利息のカット(場合によっては元本の減額)によって月の返済額を抑える。無理なく返済を続けたい方におすすめ。リスクやデメリットが少なく、もっとも利用者が多い。 |
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個人再生 | 裁判所を通して、借金を原則5分の1に減額して、し、3~5年で完済する手続き。所有する家を残すことができるのも特徴。他の借金返済で住宅ローンの返済が圧迫されてしまっている方におすすめ。再生計画と継続した収入が必要。 |
自己破産 | 裁判所を通して、借金をゼロにする手続き。借り入れの総額が大きく、毎月の返済で生活すら圧迫されている方・人生の再スタートを切りたい方におすすめ。借金はなくなるが、家や車などの財産は失う。 |
特定調停 | 裁判所を通して、調停委員が貸金業者と交渉することで、元本の減額や利息のカットによって、借金を3~5年で完済する手続き。低額の予算で借金を何とかしたい方におすすめ。手続きが複雑で成功率が低い。 |
どの手続きを選ぶべきかは、借金をしている方の借金額や期間、経済状況などによって異なります。
債務整理とは、あなたの借金を整理して無理のない返済額にする方法です。
借金返済を楽にして、生活を立て直すことができます。苦しい借金生活を抜け出すために、ぜひ弁護士や司法書士にお気軽に相談してみてください。
将来利息をカットできる任意整理
任意整理は、債務整理の中でもリスクやデメリットが少なく、もっとも利用者が多い手続きです。
任意整理が向いている人
- 住宅ローンを返済しながら借金整理がしたい人
- 特定の貸金業者や相手を除いて借金整理したい人
- 借金は自分の力で完済したい人
- 債務整理は専門家に任せたい人
- 貸金業者と長期間取引している人
任意整理のメリットとデメリット
- 将来利息の支払いが0円に
- 分割回数を増して、月々の返済を軽減
- 過去に過払い金があれば、回収可能
- 裁判所に行かずに、手続きが完結・簡単
- 手続きが開始すると取り立てが停止
- 財産を処分する必要がない
- 特定の貸金業社を省いた手続きが可能
(保証人付きの借金を除ける等)
- 他の手続きよりも減額幅が小さい
- 手続き後、5年は借り入れ不可
手続きにかかる期間は、早くて1~3ヶ月、長くても6ヶ月で終わります。債務整理の中でも最も短期間で決着をつけられると言えます。また、費用も弁護士・司法書士費用のみです。また、自宅や車などの財産を失うことなく、手続きできます。
弁護士や司法書士に相談を
任意整理は、交渉により大きく結果が変わるため、「弁護士・司法書士選び」が極めて重要となります。ご相談の際は借金問題に精通し、実績もある法律事務所を選ぶことをおすすめします。
弁護士や司法書士というと、多額の費用がかかるイメージをお持ちかもしれません。また、ハードルが高く、「自分には関係ない…」と思ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、債務整理を多く扱う弁護士・司法書士事務所なら、分割払いに応じてくれるなど、お金に困っている人に寄り添ったサービスを用意していることも多く、利用しやすくなっています。
相談しづらいお金の悩みを打ち明けるために気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
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