借金滞納

アペンタクルと消滅時効の援用|ハガキや電話がきたら確認すべきこと

この記事のポイント
  • アペンタクルは「みなし貸金業者」
    もともと貸金業者でしたが、現在は既存顧客の債権回収を行なっています。このような業者を「みなし貸金業者」といいます。
  • 借金には時効がある
    カード会社や銀行から借りた借金は「5年」、奨学金や年金など滞納は「10年」の時効があります。一定の要件を満たし、「時効の援用」という法的手続きをすると、借金が0円になります。
  • 時効の中断に注意
    貸主と借金を認めるようなやり取りをすると、時効期間がリセットされます。取り立ては時効を中断させることも目的です。慎重に対応しましょう。
  • どうしても返済できない場合は「債務整理」を検討する
    時効が成立せず、どうしても返済ができない場合には、国が制定した借金の救済措置「債務整理」を利用することで安全かつ確実に借金問題を解決できる可能性があります。

アペンタクルとは

アペンタクルって何の会社?

アペンタクル株式会社は、もともとは株式会社ワイドとして消費者金融業を行なっていました。

その後、貸金業登録を廃止し、既存顧客に貸付したお金の回収をおこなっています。このようなアペンタクルのような業者を「みなし貸金業者」といいます。

そのため、アペンタクル株式会社は、株式会社ワイドの時代に借り入れをして、その後に返済が滞っている借金の取り立てをしています。

知らない会社名だからといって架空請求と決めつけずに、届いた書類の中身を確認してしかるべき対応を取るようにしてください。

本当に借金の時効はあるのか

借りたお金は返すのが原則です。しかし、法律上は借りたお金を返さなくてもよくなる例外があります。

これは、「借金の消滅時効」といわれるものです。カード会社などの貸金業者からお金を借りた場合、最終返済日から5年で時効になります。

例えば、平成20年1月に借入れをして、平成23年1月で返済が滞った場合、5年後の平成28年1月に消滅時効が完成します。

ただし、最後の返済から5年が経過する前に債権者が裁判上の請求をしてきたり、債務者が借金の一部を返済した場合は債務の承認となり時効が中断します。

よって、時効の中断事由がない限りは、最後に返済してから5年経過で時効が成立します。

利息や損害金のみならず、元金を含めて一切の支払い義務がなくなります。

しかし、借金の時効は自動的に成立するわけではありません。「消滅時効の援用」という法的手続きをする必要があります。

借金の時効が認められる条件

  • 時効となる期間が経過していること
  • 時効の援用をしていること

請求書が届いた場合の消滅時効

長年、借金を返済しないで滞納していると、アペンタクルから請求書が届く場合があります。

アペンタクルから請求書が届いたら、まず消滅時効の援用ができるかどうかを検討しましょう。

身に覚えのない会社だから言ってと架空請求と間違えないように注意してください。

通知のタイトルは様々ですが、内容が借金の請求であることに変わりはありません。

請求書の主なタイトル

  • ご通知
  • 催告書
  • 最後通告書
  • 訪問予告通知書
  • 債務名義確定通知
  • 法的措置予告通知

請求書の中に、契約内容の表示があれば、そこに「次回約定日」「最終約定弁済期日」といった項目があるかどうかをチェックします。

もし、その日付から5年以上経過している場合は、消滅時効の主張ができる可能性があります。

時効の援用ができるにもかかわらず、アペンタクルに連絡をしてしまうと、債務の承認をさせられて時効が中断してしまう恐れががあります。

いったん、債務の承認してしまうと、たとえ時効の援用ができるはずであった場合であっても、それまでの時効期間がすべてリセットされてしまいます。

債務の承認は、借金の一部弁済だけでなく、分割返済に関する話をしただけでも該当することがあるので、安易に連絡をしないようにご注意ください。

また、借金の時効は自動的に成立するわけではありません。

もし時効の援用ができる場合は、内容証明郵便で相手に通知します。必要な記載内容は以下の通りです。

時効の援用に必要な記載内容

  • 時効援用者の住所や氏名、連絡先
  • 日付
  • 時効援用する債権の特定(※契約番号や借主の名義、借入金額、請求金額などの情報)
  • 時効完成の根拠(※最終弁済日の翌日などから、時効となる5年が経過していること)

法的手続きであるため、自分で時効の援用をすることに不安がある場合は、無理をせずに経験豊富な弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

最終返済日から5年以上経過している可能性がある場合は安易に連絡することを避けましょう。

訴状や支払督促が届いた場合の消滅時効

裁判所から支払督促が届いた場合は、2週間以内に異議申立書を提出する必要があります。

この場合でも時効の主張ができる場合があります。裁判上の請求を受けた場合でも、すでに最終弁済から5年以上経過していれば、被告である債務者は時効の主張ができるためです。

しかし、裁判所は中立の立場なので、たとえ最終返済日から5年以上経過している場合でも、被告である債務者から消滅時効の主張がない限り、裁判所の独断で時効を認めることはできません。

また、裁判所から訴状が送られた場合、被告である債務者は指定された期日までに答弁書を提出しないと欠席判決となり、原告であるアペンタクルの請求どおりの判決が出てしまいます。

これは、たとえ時効の主張ができる場合であっても同様です。欠席判決の場合は、アペンタクルの請求どおりの判決が出ることになり、時効もその時点から10年延長されます。

また、判決などの債務名義を取られると、給料や預金口座が強制的に差押えされる危険があります。

これに対して、最後の返済からいまだ5年が経過していない場合は、時効の援用ができないので、分割で和解をするか、支払いができない場合は、国が用意している救済措置「債務整理」を検討します。

もし、支払督促が届いたにもかかわらず無視をすると、判決と同じ効力がある仮執行宣言付支払督促が出てしまい、給与の差し押さえや預金口座への強制執行を受ける可能性があるので、時効の援用ができないからといって放置することもお勧めできません。

時効に関する手続きは、法的知識が必要な手続きであり、闇雲に対応すると危険なため、ご自身で対応するのに少しでも不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

弁護士や司法書士は、もし時効であれば確実に時効の援用をおこない、時効が中断している場合でも、適切に訴訟対応を行なってもらえます。

時効の可能性があるときに注意すべきこと

焦って電話をしない

アペンタクルから通知が届き、焦って連絡をしてしまう方もいます。

以下のように、相談したいことや交渉したいことがあると思います。

  • 請求内容に関する異議の申し立てをしたい…
  • 生活に支障が出るので、督促をやめてほしい…
  • 裁判だけはやめてほしい….
  • 会社や家族に連絡しないでほしい….
  • 保証人に連絡しないでほしい…

しかし、アペンタクルと直接連絡を取ることはやめましょう。

繰り返しになりますが、アペンタクルとのやり取りは、法的な交渉です。安易なやり取りがあなたに不利になる場合があります。

アペンタクルからの電話対応は要注意

アペンタクルからの督促の電話は、以下の番号から掛かってくることがあります。

これらの電話は、「時効の中断」が主な目的なので注意して対応しなければなりません。

アペンタクルの電話番号

  • 028-643-0008

出典:アペンタクル(株)公式HP

電話連絡が来て、不用意に借金の存在を認めてしまう発言をしてしまうと、時効を迎えているかもしれないのに改めて支払い義務が生じてしまうかもしれません。

電話に出るときは「記憶が曖昧なので、一度調べてから折り返しします。」「確認するのでこちらから折り返しします。」などと対応することをおすすめします。

時効が曖昧な場合は、借金問題に詳しい弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

アペンタクルによる自宅訪問は慎重に

突然、自宅に訪問されても一切返済に関する話をしないようにしましょう。

アペンタクルから「訪問に関する御連絡」「訪問予告通知」が届いた場合、実際に自宅まで訪問してくる可能性があります。

もし、時効期間が経過している可能性があるのであれば、突然訪問されても借金の返済に関する話は一切せずに、たとえ少額であっても弁済をしてはいけません。

また、債務を承認する内容の書類にサインを求められても応じないようにしてください。

もし、減額のお願いをしたり、1円でも支払ってしまったり、書類にサインをしてしまうと債務の承認となって時効の援用ができなくなる可能性があります。

債務者自身が5年の時効期間が経過していることを知らなかった場合でも同様です。

この場合も電話対応と同様に、「一度確認する」「弁護士/司法書士に依頼している」といって帰ってもらいましょう。

債権回収業者が時効を中断させるために行う主な行為

  • 債務の承認をさせる…借金を認めさせること
  • 一部返済をさせる…1円でも払えば、時効はリセットされる
  • 支払督促…異議が出なければ強制執行が可能で、異議が出れば裁判になる
  • 請求訴訟…「借金を返せ」との裁判を起こす

債務者が誤って時効を中断させてしまう主な行為

  • 電話で分割払いの話をしてしまう
  • 借金の一部を振り込んでしまう
  • 和解書や示談書にサインしてしまう
  • 借主(債務者)の方から借金の減額を持ち掛けてしまう

時効の援用が難しいときは「債務整理」

最後の返済から5年が経過していないことが明らかな場合は、消滅時効の援用はできないため支払いの義務があります。

そういった場合は、弁護士や司法書士に相談して「債務整理」を検討する必要があります。

債務整理とは、「弁護士や司法書士に依頼することによって、借金の元本の減額や将来利息の免除などができる、国が認めた法的手続き」です。

弁護士や司法書士が行う法的手続きをいうとハードルが高く、「自分には関係ない…」と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、債務整理は、基本的にどなたでも利用できる国の救済措置です。毎年200万人以上(※推定)が債務整理で借金問題を解決しているとも言われています。

この債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停の4つがあります。

4つの債務整理の概要
任意整理 裁判所を通さず、弁護士や司法書士が貸金業者と交渉することで、将来利息のカット(場合によっては元本の減額)によって月の返済額を抑える。無理なく返済を続けたい方におすすめ。リスクやデメリットが少なく、もっとも利用者が多い。
個人再生 裁判所を通して、借金を原則5分の1に減額して、し、3~5年で完済する手続き。所有する家を残すことができるのも特徴。他の借金返済で住宅ローンの返済が圧迫されてしまっている方におすすめ。再生計画と継続した収入が必要。
自己破産 裁判所を通して、借金をゼロにする手続き。借り入れの総額が大きく、毎月の返済で生活すら圧迫されている方・人生の再スタートを切りたい方におすすめ。借金はなくなるが、家や車などの財産は失う。
特定調停 裁判所を通して、調停委員が貸金業者と交渉することで、元本の減額や利息のカットによって、借金を3~5年で完済する手続き。低額の予算で借金を何とかしたい方におすすめ。手続きが複雑で成功率が低い。

弁護士や司法書士と相談してあなたに合った手続きを行いましょう。

債務整理とは、あなたの借金を整理して無理のない返済額にする方法です。

借金返済を楽にして、生活を立て直すことができます。苦しい借金生活を抜け出すために、ぜひ弁護士や司法書士にお気軽に相談してみてください。

アペンタクルの取り立てに関するお問い合わせ

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