- アルファ債権回収は取り立て専門企業
債権回収会社と偽って架空請求をする偽業者が報告されています。まずは慌てずに通知の「会社名」「住所」「電話番号」が正しいかを確認してください。 - 債権回収会社に安易に連絡しない
最終支払日から5年/10年以上経過すれば時効が成立します。しかし、借金を認めるやり取りがあれば、時効期間はリセットされてしまいます。そのため、時効の対応は慎重に行う必要があります。 - 時効が成立しない場合は「債務整理」を検討する
時効が成立せず、どうしても返済ができない場合には、国が制定した借金の救済措置「債務整理」を利用することで安全かつ確実に借金問題を解決できる可能性があります。
目次
アルファ債権回収とは
「アルファ債権回収会社から連絡が来たけど、何の会社?」
アルファ債権回収は、新生銀行グループの債権回収会社(サービサー)です。もともとアプラスの100%子会社であり、平成29年7月に新生銀行の100%子会社となりました。
債権回収会社とは、銀行などから債権を買い取り、借金の取り立てを専門に行う企業です。取り立て専門と聞くと、恐喝まがいの取り立てをイメージしするかもしれませんが、法務省から正式に認められています。
一般的に、借金の取り立ては、借入れをした貸金業者が直接行いますが、これを取り立ての専門業者に委託されたというのは危険信号です。
なぜアルファ債権回収から通知が来るのか
アルファ債権回収は、もともとアプラスの100%子会社であり、平成29年7月に新生銀行の100%子会社となりました。そのため、新生銀行グループだけでなく、アプラス系列の会社からも債権を受け入れています。
また、アルファ債権回収は、高い回収実績を持つため、「公共料金」や「奨学金」の債権回収もしています。
主な元債権者は以下の通りです。
- アプラス
- 日本学生支援機構
- 愛媛銀行
- 高知銀行
- 琉球銀行
- 宮崎太陽銀行
- みちのく銀行
- 静岡銀行
- 新生パーソナル
- 新生フィナンシャル
- 愛媛JCB
- 神奈川県
本当に借金の時効はあるのか
借りたお金は返すのが原則です。しかし、法律上は借りたお金を返さなくてもよくなる例外があります。
これは、「借金の消滅時効」といわれるものです。カード会社などの貸金業者からお金を借りた場合、最終返済日から5年で時効になります。
例えば、平成20年1月に借入れをして、平成23年1月で返済が滞った場合、5年後の平成28年1月に消滅時効が完成します。
この場合、膨れ上がった遅延損害金だけでなく、元金についても支払う必要がありません。
催告書が届いた場合の消滅時効
アルファ債権回収から催告書が届いたら、まず消滅時効の援用ができるかどうかを検討しましょう。
身に覚えのない会社だから言ってと架空請求と間違えないように注意してください。
主なタイトルは以下のとおりです。封書ではなく圧着ハガキで届く場合もあります。
- ご通知
- 催告書
- お電話のお願い
- 債権譲渡譲受通知書
- 支払いご依頼通知
- 債権の受託通知書
- 借入残高のお知らせ
- 重要なお知らせ
- 債権管理回収業務に関する通知
- 法的措置予告通知書
- 法手続き予告通知
- 訴訟予告通知書
催告書が請求書の場合、請求書に「約定返済日」「支払期日」「期限の利益喪失日」などの項目があるかチェックしてください。
このような項目がある場合、その日付から5年以上経過していれば、消滅時効(借金の時効)を主張できる可能性があります。
ただし、催告書が債権譲渡譲受通知書の場合、「期限の利益を喪失した日」が債権譲渡日と同じ日付の場合は、最終返済日が正確に反映されていない可能性もあります。
また、圧着ハガキの場合、原債権者の表示があっても、「約定返済日」「支払期日」「期限の利益喪失日」が記載されていないことがあります。この場合、5年以上返済をした記憶がなければ、安易に連絡しない方が安全です。
焦って連絡をしてしまい、1円でも返済をしてしまったり、担当者と電話で分割払いの話をしたり、減額のお願いをすると債務の承認(借金を認めること)となってしまい、それまで進行していた借金の時効期間がリセットされてしまいます。
闇雲に対応すると危険なため、ご自身で対応するのに少しでも不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
借金問題の経験豊富な弁護士や司法書士であれば、アルファ債権回収に受任通知を送り、すぐに請求を止めて、時効の中断事由がないか確認したうえで、確実に消滅時効の手続きを行います。
最終返済日から5年以上経過している可能性がある場合は安易に連絡することを避けましょう。
債務名義の記載がある場合の消滅時効
最後の返済から5年以上経過している場合でも、債務名義の記載があると状況が変わってきます。
この債務名義があると、借金の時効は5年から10年延長されるため、事件番号の年数から10年未満の場合は時効の援用はできません。判決などの債務名義を取られている場合も判決から10年経過していなければ時効の援用はできません。
債務名義というのは、裁判所の「確定判決」や「仮執行宣言付支払督促」のことです。債務名義があると債権者は強制執行をすることができます。
債務名義には以下のような種類があります。
- 確定判決
- 調停調書
- 和解調書
- 仮執行宣言付支払督促
アルファ債権回収の場合、通知書の備考欄に以下のような記載があることがあります。
【種類】 仮執行宣言付支払督促
【裁判所名】 東京簡易裁判所
【事件番号】 平成31年(ロ)第○○○○号
債務名義がある場合は、時効は判決などが確定してから10年に延長されるためしっかり確認しましょう。
訴状や支払督促が届いた場合の消滅時効
アルファ債権回収の本社所在地管轄の簡易裁判所から訴状や支払督促が届いた場合でも消滅時効の援用ができる可能性があります。
すでに借金の時効期間が経過している場合でも、債権者が裁判所に訴えることができてしまうため、訴状や支払督促が届いた場合は適切に対処しておく必要があります。放置してしまうと判決などが確定しまい、それから10年間は時効の援用ができなくなるので要注意です。
そのため、訴状や支払督促が届いた場合は、時効の援用ができるかどうかを判断するために、まずは訴状や支払督促に記載されている「期限の利益喪失日」をチェックしましょう。訴状などに計算書が添付されていれば、「最後に返済した日付」を確認し、それらの日付が5年以上前であれば時効の援用ができる可能性があります。
なお、時効の援用ができるにもかかわらず、同封されている答弁書の「分割払いを希望する」という項目にチェックを入れて、裁判所に提出してしまうと債務の承認となって、時効の援用ができなくおそれがあるので注意してください。
このように時効手続きは、法的知識が必要な手続きであり、闇雲に対応すると危険なため、ご自身で対応するのに少しでも不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
時効の可能性があるときに注意すべきこと
焦って電話をしない
アルファ債権回収から通知が届き、焦って連絡をしてしまう方もいます。
以下のように、相談したいことや交渉したいことがあると思います。
- 請求内容に関する異議の申し立てをしたい…
- 生活に支障が出るので、督促をやめてほしい…
- 裁判だけはやめてほしい….
- 会社や家族に連絡しないでほしい….
- 保証人に連絡しないでほしい…
しかし、時効の可能性がある場合は、アルファ債権回収への電話は控えてください。もちろん、一部入金もしないようにしてください。
繰り返しになりますが、アルファ債権回収とのやり取りは、法的な交渉です。安易なやり取りがあなたに不利になる場合があります。
アルファ債権回収からの電話対応は慎重に
アルファ債権回収からの督促の電話は、以下のような番号から掛かってくることがあります。
時効の確認もせずに、アルファ債権回収と電話してしまうと、債務の承認をさせられて時効が中断してしまうリスクがあります。
電話連絡が来て、不用意に借金の存在を認めてしまう発言をしてしまうと、時効を迎えているかもしれないのに改めて支払い義務が生じてしまうかもしれません。
不意に電話が来ると、心の準備ができていないため、お金を借りた側の弱みでついつい返済について話をしてしまうかもしれませんが、それでは「債務承認」と認識され、時効が認められなくなる可能性があります。
債権回収会社は時効を無効化するために、あらゆる手段で債権を承認させてこようとします。
例えば、電話口で、「一括で返済しなくても良いです」「分割払いにも対応できます」「遅延損害金は無しにしましょう」「返済をしてくれるなら借金を減額します」などと言った、聞いただけだと譲歩してくれるようなこともあります。
しかし、これは債権回収会社側の常套手段と言われており、特に時効を迎えている借金を抱えている人に対して使ってきます。
そのため、電話の連絡が来たら、まずは「借金に心あたりがないので一度確認する」といって電話を切ってください。
そして、借金問題に詳しい弁護士や司法書士に相談してみることをおすすめします。
自宅訪問は慎重に
突然、自宅に訪問されても一切返済に関する話をしないようにしましょう。
自宅に訪問してくることがあります。不在の場合は「ご連絡のお願い(不在通知票)」が入っていることがあります。
もし、時効期間が経過している可能性があるのであれば、突然訪問されても借金の返済に関する話は一切せずに、たとえ少額であっても弁済をしてはいけません。
また、債務を承認する内容の書類にサインを求められても応じないようにしてください。
もし、減額のお願いをしたり、1円でも支払ってしまったり、書類にサインをしてしまうと債務の承認となって時効の援用ができなくなる可能性があります。
債務者自身が5年の時効期間が経過していることを知らなかった場合でも同様です。
この場合も電話対応と同様に、「一度確認する」「弁護士/司法書士に依頼している」といって帰ってもらいましょう。
時効が中断する代表的な行為
- 電話で分割払いの話をしてしまう
- 借金の一部を振り込んでしまう
- 和解書や示談書にサインしてしまう
時効の援用が難しいときは「債務整理」
最後の返済から5年が経過していないことが明らかな場合は、消滅時効の援用はできないため支払いの義務があります。
そういった場合は、弁護士や司法書士に相談して「債務整理」を検討する必要があります。
債務整理とは、「弁護士や司法書士に依頼することによって、借金の元本の減額や将来利息の免除などができる、国が認めた法的手続き」です。
弁護士や司法書士が行う法的手続きをいうとハードルが高く、「自分には関係ない…」と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、債務整理は、基本的にどなたでも利用できる国の救済措置です。毎年200万人以上(※推定)が債務整理で借金問題を解決しているとも言われています。
この債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停の4つがあります。
任意整理 | 裁判所を通さず、弁護士や司法書士が貸金業者と交渉することで、将来利息のカット(場合によっては元本の減額)によって月の返済額を抑える。無理なく返済を続けたい方におすすめ。リスクやデメリットが少なく、もっとも利用者が多い。 |
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個人再生 | 裁判所を通して、借金を原則5分の1に減額して、し、3~5年で完済する手続き。所有する家を残すことができるのも特徴。他の借金返済で住宅ローンの返済が圧迫されてしまっている方におすすめ。再生計画と継続した収入が必要。 |
自己破産 | 裁判所を通して、借金をゼロにする手続き。借り入れの総額が大きく、毎月の返済で生活すら圧迫されている方・人生の再スタートを切りたい方におすすめ。借金はなくなるが、家や車などの財産は失う。 |
特定調停 | 裁判所を通して、調停委員が貸金業者と交渉することで、元本の減額や利息のカットによって、借金を3~5年で完済する手続き。低額の予算で借金を何とかしたい方におすすめ。手続きが複雑で成功率が低い。 |
弁護士や司法書士と相談してあなたに合った手続きを行いましょう。
債務整理とは、あなたの借金を整理して無理のない返済額にする方法です。
借金返済を楽にして、生活を立て直すことができます。苦しい借金生活を抜け出すために、ぜひ弁護士や司法書士にお気軽に相談してみてください。
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