はじめは簡単に返せると思っていた借金も、様々な事情により一定額を超えると雪だるま式に借金は増えてしまいます。
返済日に間に合わすために借金のための借金を繰り返して、借金地獄に陥ることもあります。
ギャンブルにハマってしまった、キャバクラやホストにハマって、気づいたら借金まみれになったケースもあるでしょう。
この状態になると、自力で返済するのは大変難しく、切羽詰まった苦しい生活が続いてしまいます。
借金地獄に陥ると精神的にもつらいです。
どこかのタイミングで借金整理をして、一度リセットする必要があります。
自己破産だけでなく、借金整理の方法は他にも用意されています。
今回は、借金地獄に陥ってしまう原因と法律の力で、借金問題を解決する方法を説明していきます。
目次
借金金地獄に陥る3つの原因
借金が返せなくなる原因は、以下の3パターンが多いです。
- 1.一時的に返済が遅れている間に、利息や遅延損害金が上乗せされて借金が増えてしまった
- 2.借金をして返済日に遅れそうな場合、違う業者から借入れをして借金が膨らんでいった
- 3.リストラや病気によって収入が減り、借金が増えていった
1の場合は、借金の仕組みを理解されてなかった人に起こるケースです。
現在の利息は18%~19%ですが、昔は年利が29%という高金利が普通でした。
たった数年放っておくだけで、総返済額は倍にまでなります。(3年で返済額は2倍になる)
利息に加えて、支払い期限に遅れると「遅延損害金」もプラスされます。
遅延損害金とは返済期限に遅れたときに、損害賠償金として支払わなければいけないお金です。
遅延損害金は利息に加え、さらに15%という利子がとられます。
一定期間放置すると、借金はどんどん積み重なり、いつか手が付けられなくなるのです。
借金の返済は、遅延損害金→利息分→元本という順番で充てられます。
一度借金が膨らむと、利息分が優先されるので元本はなかなか減らず、完済するのが大変難しくなります。
借金は利息によって1日単位で増えていきます。返済期限に遅れるとさらにお金は取られます。
サラ金は、借入れをしてから時間が経てば経つほど借金が増えていくシステムになっているのです。
2は、いわゆる多重債務という状態です。
多重債務とは、消費者金融や銀行、カードローンなど複数の業者から借金をし、返済が難しくなっている状態です。
たとえば、借入れの上限が20万円の人でも、6社から借入れをすると借金総額は120万円になります。
また、返済期限に間に合いそうもないから違う業者から借金をする「自転車操業」によって借金が増えてしまった人もいるでしょう。
ある借金を違う借金でまかなうと、利息に対して利息がかかるので借金は急激に増えていき、気づけば借金地獄になってしまうのです。
3は、借金額は変わっていませんが、収入が急に減った(なくなった)ケースです。
失業者の数は、日本の経済状態に大きく左右されるので、仕方のない部分もあります。
病気も、本人がなりたくてなったわけではありません。
労働環境が大きく影響しているので「自己責任」という言葉だけでは片づけられません。
総量規制の存在
賃金法が改正されて「総量規制」が導入されたことで、貸金業者は借金総額が年収の三分の一を超える貸付けができなくなりました。
たとえば年収が600万の方は、貸金業者から借りられる借金総額は200万円までです。
A業者から100万、B業者から100万借りた場合、借金総額は200万円になるので、これ以上違う業者から借入れすることができません。クレジットカードのキャッシングも対象内です。
これにより、今まで「借りまわし」によって借金返済をしていた人が「これ以上貸付けできません」「カードの利用ができなくなりました」といった通知が来ることで返済ができなくなりました。
要するに、自転車操業が通用しなくなったのです。
「借りまわし」をしていては、いつまで経っても借金はなくなりません。
利息がより多くの利息を生むので、借金が急激に膨れ上がります。
この場合、一刻も早く専門家に依頼して借金整理をしてもらう必要があります。
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借金で時効は可能か
借金の時効は消費者金融から借りた場合5年です。
最後の取引きをしてから5年経過すれば、借金の時効が成立し、支払いはしなくてもよくなります。
しかし、多くの業者の場合、時効が成立する前に法的な処置をとってきます。貸金業者はまず債務者に返済請求の連絡を入れます。
それでも無視を続けると、訴訟が起こされます。
訴訟を起こされると、借金の時効は10年延長され、未払いの借金に利息と遅延損害金が加わった借金が請求されます。
その結果、多額の借金を支払わなくてはいけなくなるのです。
借金の時効延長の訴訟は、連絡がつかない住所不定者に対しても起こせるため、夜逃げをしても意味はありません。
完済するまで永遠に時効を延長させられます。
業者から給料差し押さられる
借金を長い間放置していると、業者は強制執行すると脅してくることがあります。
これは脅しではなく、強制執行されると給料は本当に差し押さえられてしまいます。
業者が差し押さえをする対象は、不動産と給料です。
不動産を持っていない場合は、給料が差し押さえられる可能性があります。
給料の差し押さえがかかると職場に借金をしている事実が知られます。生活に支障が出るでしょう。
差し押さえを行うには「仮執行宣言付の支払い督促」や「判決文」が必要です。
たとえ本当に実行されても、差し押さえは原則、給料の四分の一までと決められています。
正式な手続きに時間を要する上に、差し押さえ額も決められているため、実際に差し押さえされるケースは極めて少ないです。
専門家に相談しよう
借金地獄に陥り、返済が困難になっている場合、必ず弁護士・司法書士に相談しましょう。
法的な知識により、正しい債務整理をすることで返済額は大幅に減らすことができます。
債務整理には任意整理と個人再生、自己破産の3種類があります。
任意整理は、弁護士・司法書士が貸金業者と直接交渉し、返済可能なプランを立ててもらうことです。
一般的には、利息分をカットしてもらったり、遅延損害金を無くしてもらえます。
任意整理をしても借金が返せそうにない場合は、個人再生や自己破産を検討します。
個人再生は法的な処置により借金を五分の一まで減らします。
自己破産は全額免除される仕組みで、借金が3000万だろうが5000万だろうが、すべてゼロに戻ります。
任意整理は貸金業者との自由な交渉の中で減額を狙いますが、個人再生と自己破産は裁判所に申し入れをすることで強制的に借金を減らします。
債務整理には貸金業法や破産法など、専門的な知識が要求されます。
そのため、必ず弁護士・司法書士の方に相談してください。
任意整理と自己破産
任意整理とは、弁護士・司法書士が仲介に入って自由に交渉し、債務者(借りた側)の負担を軽くすることで立ち直りを図る方法です。
裁判所が介入せず、あくまでも当事者の任意に委ねられるのがポイントです。
どの程度減額できるかは、資金業者に委ねられます。
一方、自己破産は裁判所の介入によって、強制的に借金をゼロにします。
どちらかを選択することになりますが、ポイントは「借金の支払いが能力があるかどうか」です。
借金を背負っている人の中には「支払い不能状態」に陥っている人がいます。
支払い不能とは、返済期限がきても借金を返すことができず、これから先も返済できそうにない状態のことです。
支払い不能状態かどうかの客観的な目安は以下の2点です。
- 借金総額が月々の手取りの20倍以上
- 借金がいまの収入から3年程度で返済できるかどうか
たとえば、借金総額が400万でリストラに遭い、アルバイトの収入が15万の人は手取りの20倍以上の借金総額に該当するため、支払い不能状態です。
この支払い不能状態であるかどうかが、自己破産をする上で大切なポイントになってきます。
自己破産の申し立ては「支払不能状態」の人でないとできません。
借金の支払い能力がある人は任意整理や個人再生で借金整理をして、減額された借金を支払っていくことになります。
自己破産後の生活
自己破産したからといって、その後の生活が激変することはありません。自己破産をすると、すべての財産をお金にかえて債権者に配当します。
しかし、99万円までのお金と生活に必要な財は手元に残しておくことができるので、生活に必要なものは失われません。
生活財とは、テレビ、電話、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどで、破産しても日常生活は送れるように配慮してあるのです。
車は売却しても20万より下回る場合は手元に残り、20万以上になる場合は引き上げられます。
借家やアパートに住んでいる場合、家賃さえ払っていればそのまま住み続けることができます。
マイホームを持っている場合は競売にかけられます。
その後は、多くの場合は公営住宅(市営住宅)に住むことになり、破産者であっても問題なく公営住宅の申込はできます。
自己破産は裁判所を通して行うため、破産すると官報によってその事実を公表されます。
官報とは政府が発行する新聞のようなもので、そこに自己破産した事実が伝えられます。
しかし、官報をこまめにチェックしている一般人はほとんどいません。
さらに1日数百人という単位で名前が載るため、探し出すのは大変です。
官報が一般人の目につくのは、官報を購読した場合かインターネットで有料サービスに登録して検索をかけた場合かの2パターンしかありません。
ほとんどの場合、一般の方に自己破産をした事実を知られることはありません。
就職や転職に影響することはないので、仕事を辞めさせられることもないです。
破産をして借金がゼロになるメリットを考えれば、破産をしたデメリットは微々たるものです。
浪費が原因でも債務整理できるか
ギャンブルや遊興費(キャバクラやホストなどの異性関係、買い物)のために借金を重ねた場合、債務整理はできないだろうと思い込んでいる人がいます。
実際はそんなことはありません。
任意整理は裁判所を通さないで弁護士・司法書士が代理人となって行う借金整理なので、借金の理由は問われません。
任意整理と個人再生は、ギャンブルや遊興費が原因でも債務整理をすることができます。
しかし、自己破産に関しては難しいと言われています。
自己破産では借金をした理由が問題となり、ギャンブルや遊興の借金は認められないことが多いです。
ただし可能性はゼロではなく、内容や反省の度合い、将来の更生の可能性を含めた上で裁判官の裁量により判断されます。
問題は先送りにしない
借金問題は複雑で難しいからといって、先送りにしてもよい結果は出ません。
消費者金融では、返済が遅れれば遅れるほど借金が増えていくシステムになっています。
問題の先送りは、それだけ債務を増やす結果になるのです。
必ず早いうちに手を打って、借金問題に取り組んでください。
まずは弁護士・司法書士に相談し、適切な借金整理の方法を教えてもらいましょう。
今では1時間や2時間、無料相談サービスをしてくれる弁護士・司法書士事務所が増えました。
まずは無料でご自身の事情を説明し、正しい債務整理を検討していきましょう。
借金することは悪いことなのか
借金することは悪いことではありません。
借金をするときに、返せる見込みが無いのに借りてしまうのことがいけないことです。
それに、借金はしたくないと思っても借金をしないといけない場合もあります。
最初は返せると思って借りても、リストラ、会社が倒産、退職金で返済をしようと思っていたら
退職金が出なくて借金返済ができなくなった、というようなさまざまな事情があって返せなくなることもあります。
だからといって家族に迷惑をかけたくない⇒借金返済の期日がきた⇒お金がない困る⇒新しいところで借りる、という悪循環のループに入っていないでしょうか。
借金返済で一番していけないことは、新しいところからまた借りることです。
借りることで金利が膨らんでいくことはもちろん、お金を借りるところがどこもなくなって闇金まで手をだしてしまうことです。
こうなると、家族だけでなく親戚中まで迷惑をかけて一家離散の道を一直線になります。
どうしたら良いのかというと、「専門家に相談」することです。
借金問題に強い弁護士・司法書士の特徴
借金地獄から脱出したいなら借金問題に強い弁護士・司法書士にお願いするのが一番です。
借金問題に強く経験も豊富だから、借金で困っている人の気持ちもよくわかってくれます。
借金で悩んでいる人たちの経済状況、これからどんなふうに生活をしていくべきかなど、今困っていることだけでなく、未来のことも一緒に考えてくれます。
借金地獄で債務整理をするなら
浪費のような後ろめたい理由が原因の借金でも、債務整理なら国の救済手段を受けることができます。
しかし、借金問題の手続きは複雑で、かつ専門知識がないとどの手続きをするべきか判断できないことが多いです。
例えば、借金の金額が多すぎて自己破産しか無いと思った人が、実は任意整理で助かるということはよくあります。
実際、借金救済の手続きの8割は任意整理が行われていると言われています。
手続きを開始する前の相談は無料で受付けているので、自分で判断することが難しい場合は、1人で悩まずに、まずは一度相談してみることをお勧めします。
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