借金滞納

アイ・アール債権回収と消滅時効の援用|督促が届いたら危険!裁判になる前に確認すべきこと

この記事のポイント
  • アイ・アール債権回収は取り立て専門企業
    国に許可を得て営業する取り立て専門企業です。きちんと対応する必要があります。
  • 架空請求に要注意
    アイ・アール債権回収と偽って架空請求をする偽業者が報告されています。まずは慌てずに通知の「会社名」「住所」「電話番号」が正しいかを確認してください。
  • 債権回収会社に安易に連絡しない
    最終支払日から5年/10年以上経過すれば時効が成立します。しかし、借金を認めるやり取りがあれば、時効期間はリセットされます。債権回収会社は時効を中断させようとするため、慎重に対応しましょう。
  • 時効が成立しない場合は「債務整理」を検討する
    時効が成立せず、どうしても返済ができない場合には、国が制定した借金の救済措置「債務整理」を利用することで安全かつ確実に借金問題を解決できる可能性があります。

アイ・アール債権回収はアコムの子会社

アイ・アール債権回収って何の会社?知らない会社から通知が届いて不安…

アイ・アール債権回収は、2000年6月27日にアコム株式会社(三菱UFJフィナンシャル・グループ)が100%出資して設立した債権回収会社(サービサー)です。

債権回収会社とは、銀行などから債権を買い取り、借金の取り立てを専門に行う企業です。取り立て専門と聞くと、恐喝まがいの取り立てをイメージしするかもしれませんが、法務省から正式に認められています。

普通に生活をしていれば「債権回収会社」と関わることはありません。しかし、何らかの理由によって借金を滞納している場合、一定期間を経過すると、ハガキや電話などの手段で、債権回収会社から連絡がきます。

アイ・アール債権回収が取り立てる借金の元債権者

アイ・アール債権回収は、アコムの子会社であるため、アコムの借金を取り立てることが多いですが、高い債権回収の実績から、他の貸金業者からも債権譲渡を受けて回収業務をおこなっています。

主な原債権者は以下の通りです。

  • アコム株式会社
  • アプラス(新生銀行系列)
  • アフレッシュクレジット株式会社

この他に「公共料金の未納」なども含まれます。

これらの名前に心当たりのある方は、アイ・アール債権回収会社から取り立てが来る可能性があります。

また、2014年にはアフレッシュクレジット株式会社を吸収合併しています。そのため、過去にアフレッシュクレジット株式会社から借金をしている場合も取り立てが来る可能性があります。

貸金業者が無くなっても返済義務は無くならないのでご注意ください。

借金には時効があります

借りたお金は返すのが原則です。しかし、法律上は借りたお金を返さなくてもよくなる例外があります。

これは、「借金の消滅時効」といわれるものです。カード会社などの貸金業者からお金を借りた場合、最終返済日から5年で時効になります。

例えば、平成20年1月に借入れをして、平成23年1月で返済が滞った場合、5年後の平成28年1月に消滅時効が完成します。

ただし、最後の返済から5年が経過する前に債権者が裁判上の請求をしてきたり、債務者が借金の一部を返済した場合は債務の承認となり時効が中断します。

よって、時効の中断事由がない限りは、最後に返済してから5年経過で時効が成立します。

しかし、待っていても自動的に時効が成立するわけではありません。「消滅時効の援用」という法的手続きが必要になります。

請求書が届いた場合の消滅時効

長年、借金を返済しないで滞納していると、アイ・アール債権回収から請求書が届く場合があります。

アイ・アール債権回収から請求書が届いたら、まず消滅時効の援用ができるかどうかを検討しましょう。

身に覚えのない会社だから言ってと架空請求と間違えないように注意してください。

通知のタイトルは様々ですが、内容が借金の請求であることに変わりはありません。

請求書の主なタイトル

  • 請求書
  • 催告書
  • 訴訟等申立予告通知
  • 和解提案書
  • 債権譲渡及び債権譲受通知
  • 債権管理回収に係る受託通知

請求書の中に、契約内容の表示があれば、そこに「期限の利益喪失日」「次回約定日」「最終約定弁済期日」といった項目があるかどうかをチェックします。

もし、その日付から5年以上経過している場合は、消滅時効の主張ができる可能性があります。

時効の援用ができるにもかかわらず、アイ・アール債権回収に連絡をしてしまうと、債務の承認をさせられて時効が中断してしまう恐れががあります。

いったん、債務の承認してしまうと、たとえ時効の援用ができるはずであった場合であっても、それまでの時効期間がすべてリセットされてしまいます。

債務の承認は、借金の一部弁済だけでなく、分割返済に関する話をしただけでも該当することがあるので、安易に連絡をしないようにご注意ください。

もし時効の援用ができる場合は、内容証明郵便で通知します。自分で時効の援用をすることに不安がある場合は、経験豊富な弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

最終返済日から5年以上経過している可能性がある場合は安易に連絡することを避けましょう。

訴状や支払督促が届いた場合の消滅時効

裁判所から支払督促が届いた場合は、2週間以内に異議申立書を提出する必要があります。

この期間に適切な対応を取らないとアイ・アール債権回収の請求どおりの判決や支払督促が確定してしまうので注意が必要です。

なお、支払督促の中に、「期限の利益喪失日」の記載があるので、その日から5年以上経過していれば、時効の援用ができる可能性があります。

もしくは、支払督促申立書に添付されている計算書の最後の弁済日でも確認できます。

支払督促に同封されている異議申立書を裁判所に提出すると、支払督促から通常訴訟に切り替わり、改めて裁判所から口頭弁論期日を指定した書面が届きます。

その中に答弁書という書類が入っているので、第1回口頭弁論期日の1週間前までに答弁書を裁判所に提出しなければいけません。

ここで、注意しなければいけないのは、時効の援用ができるにもかかわらず、答弁書の「分割払いを希望する」という項目にチェックを入れてしまうことです。

分割払いを希望した場合、たとえ時効の援用ができるケースであったとしても債務の承認となって、それまでの時効期間がご破算になってしまうのでご注意ください。

答弁書で時効の援用をした場合、特に時効の中断事由がない限り、消滅時効の主張が認められ、請求棄却判決が出ることになります。

しかし、実務上は、時効の中断事由がないケースでは、原告のアイ・アール債権回収が訴えを取り下げてくることがほとんどです。

被告である債務者が取り下げに同意しなければそのまま裁判が進みますが、取り下げに同意した場合は改めて内容証明郵便で時効の援用を通知しておくと安全です。

これに対して、最後の返済からいまだ5年が経過していない場合は、時効の援用ができないので、分割で和解をするか、支払いができない場合は、国が用意している救済措置「債務整理」を検討します。

もし、支払督促が届いたにもかかわらず無視していると、判決と同じ効力がある仮執行宣言付支払督促が出てしまい、給与の差し押さえや預金口座への強制執行を受ける可能性があるので、時効の援用ができないからといって放置することはお勧めできません。

時効に関する手続きは、法的知識が必要な手続きであり、闇雲に対応すると危険なため、ご自身で対応するのに少しでも不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

弁護士や司法書士は、もし時効であれば確実に時効の援用をおこない、時効が中断している場合でも、適切に訴訟対応を行なってもらえます。

時効の可能性があるときに注意すべきこと

焦って電話をしない

アイ・アール債権回収から通知が届き、焦って連絡をしてしまう方もいます。

以下のように、相談したいことや交渉したいことがあると思います。

  • 請求内容に関する異議の申し立てをしたい…
  • 生活に支障が出るので、督促をやめてほしい…
  • 裁判だけはやめてほしい….
  • 会社や家族に連絡しないでほしい….
  • 保証人に連絡しないでほしい…

しかし、アイ・アール債権回収と直接連絡を取ることはやめましょう。

繰り返しになりますが、アイ・アール債権回収とのやり取りは、法的な交渉です。安易なやり取りがあなたに不利になる場合があります。

アイ・アール債権回収からの電話対応は要注意

アイ・アール債権回収からの督促の電話は、以下の番号から掛かってくることがあります。

これらの電話は、「時効の中断」が主な目的なので注意して対応しなければなりません。

アイ・アール債権回収の番号

  • 03-5215-6511
  • 092-752-3811
  • 03-5215-6520

出典:iタウンページ

もし、電話口で「分割で返済したい」とか「損害金を免除してもらえませんか」などの話をしてしまうと債務の承認となって時効が中断するおそれがあります。

時効が中断した場合、時効の援用ができなくなるだけでなく、それまでの時効期間がリセットされて、またゼロからのスタートとなります。

電話に出るときは「記憶が曖昧なので、一度調べてから折り返しします。」「確認するのでこちらから折り返しします。」などと対応することをおすすめします。

時効が曖昧な場合は、借金問題に詳しい弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

時効が中断する代表的な行為

  • 電話で分割払いの話をしてしまう
  • 借金の一部を振り込んでしまう
  • 和解書や示談書にサインしてしまう
  • 借主(債務者)の方から借金の減額を持ち掛けてしまう

時効の援用が難しいときは「債務整理」

最後の返済から5年が経過していないことが明らかな場合は、消滅時効の援用はできないため支払いの義務があります。

そういった場合は、弁護士や司法書士に相談して「債務整理」を検討する必要があります。

債務整理とは、「弁護士や司法書士に依頼することによって、借金の元本の減額や将来利息の免除などができる、国が認めた法的手続き」です。

弁護士や司法書士が行う法的手続きをいうとハードルが高く、「自分には関係ない…」と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、債務整理は、基本的にどなたでも利用できる国の救済措置です。毎年200万人以上(※推定)が債務整理で借金問題を解決しているとも言われています。

この債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停の4つがあります。

4つの債務整理の概要
任意整理 裁判所を通さず、弁護士や司法書士が貸金業者と交渉することで、将来利息のカット(場合によっては元本の減額)によって月の返済額を抑える。無理なく返済を続けたい方におすすめ。リスクやデメリットが少なく、もっとも利用者が多い。
個人再生 裁判所を通して、借金を原則5分の1に減額して、し、3~5年で完済する手続き。所有する家を残すことができるのも特徴。他の借金返済で住宅ローンの返済が圧迫されてしまっている方におすすめ。再生計画と継続した収入が必要。
自己破産 裁判所を通して、借金をゼロにする手続き。借り入れの総額が大きく、毎月の返済で生活すら圧迫されている方・人生の再スタートを切りたい方におすすめ。借金はなくなるが、家や車などの財産は失う。
特定調停 裁判所を通して、調停委員が貸金業者と交渉することで、元本の減額や利息のカットによって、借金を3~5年で完済する手続き。低額の予算で借金を何とかしたい方におすすめ。手続きが複雑で成功率が低い。

弁護士や司法書士と相談してあなたに合った手続きを行いましょう。

債務整理とは、あなたの借金を整理して無理のない返済額にする方法です。

借金返済を楽にして、生活を立て直すことができます。苦しい借金生活を抜け出すために、ぜひ弁護士や司法書士にお気軽に相談してみてください。

アイ・アール債権回収の取り立てに関するお問い合わせ

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