「差出人が法律事務所になっている不在通知が届いていた…」
「知らない電話番号から不在着信があって、調べてみたら法律事務所だった…」
突然、身に覚えがない法律事務所から連絡があり、慌てていませんか?
「もしかしたら誰かに訴えられたのかもしれない」と不安になってしまうでしょう。あるいは、「全く心当たりがない!絶対に詐欺だ!」と考えて無視してしまう人もいるかもしれません。
実は、長期間の未払いや借金の滞納がある場合、法律事務所から連絡が来ることがあります。例えば、次の法律事務所から連絡が来た場合、注意が必要です。
- 弁護士法人鈴木康之法律事務所
- 弁護士法人マーシャルアーツ
- 弁護士法人高橋裕次郎法律事務所
- 弁護士法人引田法律事務所
- 弁護士法人子浩法律事務所
- 弁護士法人星川法律事務所
- 弁護士法人原田国際法律事務所
- 弁護士法人駿河台法律事務所
- 弁護士法人コモンズ法律事務所
- 弁護士法人東京表参道法律事務所
これらの対応を間違えると、最悪の場合、訴訟を起こされ、給与や財産が差し押さえられてしまいます。
そのため、慎重に対応することが必要です。後悔しないためにも事前に対処方法をしっかり確認しておきましょう。
目次
なぜ法律事務所から連絡が来るのか?
実は、弁護士は、未払金・延滞金などの入金の案内・確認、返済条件の変更の取次ぎなど制限なく債権回収業務を受託することを法律で認められています。
そのため、何かしらの未払金や滞納金がある方は法律事務所から連絡が来ることがあります。
法律事務所が債権回収を受託するまでの流れ
回収できない借金は、以下のような流れで委託されます。
- STEP1貸金業者など携帯会社やクレジットカード会社など、もともと未払いや滞納をしている業者です。
- STEP2債権回収会社法務省から許認可を受けた債権回収を専門に行う企業です。貸金業者では取り立てが難しい借金の回収を代わりに請負います。(債権回収会社を通さずに直接弁護士事務所に依頼されることもあります。)
- STEP3弁護士事務所債権回収会社でも回収できなかった借金が弁護士事務所に引き渡されます。
借金の取り立ては、弁護士だけでなく、債権回収会社という取り立て専業企業にも許可されています。弁護士事務所では、貸金業者などから直接債権回収を委託される場合と債権回収を介して委託される場合の2通りがあります。
消費者金融会社やカード会社、携帯電話会社では、毎日多くの未払いや延滞が発生していますが、1件1件は少額であるケースも多く、自社で回収するには郵送やコールセンターの人件費などコストの負担が大きくなってしまいます。そのため、弁護士や債権回収会社が依頼を受けて代わりに借金を回収します。
弁護士や債権回収会社は借金を回収し、その回収した借金の一部を収益として受け取ったり、最初に安い金額で債権を買取り、取り立てた金額との差額を収益として得るビジネスモデルです。
なぜ法律事務所は連絡先を知っているのか?
インターネットサービスなどの未払金の場合、利用規約に「特定の目的に限り、第三者に個人情報を提供する」という記載が書かれているはずです。
したがって、未払金などが発生した場合は、その取り立てという目的に限って、個人情報が提供されている可能性があります。もちろん、返済すれば個人情報は削除され、取り立て以外の目的では利用されないはずです。
一方で消費者金融や銀行など金融機関での借金の場合は、少し異なります。この場合は、個人信用情報機関に不義理があった金融取引が一定期間保存され、個人情報機関の会員となっている金融機関内で個人情報が共有されることになっています。
したがって、借入をした金融以外にもあなたが借金していることが知られることになります。ある金融機関で借金を滞納していると、他の金融機関でクレジットカードが作れなくなったり、各種ローンが組めなくなります。
この場合も金融サービスの契約の際に、「個人信用情報での個人情報の取り扱い」に関する書類にサインしているはずです。
これらの契約にご自身でサインしているために、あなたの個人情報が共有され、法律事務所がハガキや電話で取り立てすることができます。
法律事務所の連絡を無視するとどうなるのか?
突然の連絡で不安かもしれませんが、無視をしてはいけません。無理をしたり、長期間放置すると、状況が悪化していきます。
- STEP1受任通知が届く債権回収を引き受けた法律事務所から「本件の債権回収につきましては当事務所が全面的に受任しました」という趣旨の通知が届きます。この時点で正式に法律事務所からの取り立てが始まります。
- STEP2督促が何度も来るハガキや電話、SMSなどあらゆる手段で督促が来ます。特に携帯電話への連絡を無視し続けると、自宅や会社にも電話が来ます。
- STEP3裁判・差し押さえ強制執行しばらくすると督促が止まり、裁判を起こされてしまいます。最終的に給与や預貯金、自家用車など財産が差し押さえられてしまいます。
法律事務所から連絡が来たときの正しい対処法とは?
(1)事務所名・住所・電話番号を確認
債権回収では、架空請求などの詐欺も多く報告されています。そのため、まずは通知内容を確認の上、通知書に記載されている事務所名・住所・電話番号に間違いがないか確認してください。
特に事務所名が「弁護士法人○○法律事務所」ではなく、単に「○○法律事務所」となっているなど微妙に変えている場合もあるので注意が必要です。
通知内容に見覚えがなく、ご自身で判断ができない場合は、通知書を持参の上、借金問題に詳しい弁護士や司法書士に無料相談しに行きましょう。
後述する時効の観点から不安な場合は、自分で解決しようとすることは避けた方が良いでしょう。
(2)時効が成立していないか確認
前述したように、消費者金融>債権回収会社法律事務所と何度も借金が委託されていることが多いのが特徴です。
そのため、法律事務所が扱う債権は、借金をしてから非常に長い期間が経過している可能性が高いと考えられます。
この場合、借金の時効が成立している可能性が高いです。もし時効が成立していれば、支払いをする必要がありません。
時効が成立するためには以下の条件を満たす必要があります。
- 滞納期間が5年以上
- 直近10年以内に判決などを取られていない
- 電話を掛けるなどの債務承認に該当する行為がない
しかし、借金の時効は、通知書だけでは判断ができません。また、対応を誤ると時効が消滅してしまいます。そして、時効が成立していた場合も、内容証明郵便などで法律事務所に時効の通知を送らなければ効力がありません。
そのため、安心かつ確実なのは、借金問題に強い弁護士や司法書士に無料相談することでしょう。
時効が過ぎている借金の取り立て(不当請求)の事例
ここでは実際にあった不当請求をご紹介します。
1.しつこく何度も請求書が届く
とにかく、しつこく何回も請求書を送ってきます。しかも、驚くほど高額な遅延損害金も加算されています。
2.時効が完成しているにもかかわらず、訴訟を起こす
裁判に訴えれば、驚いて支払ってくるだろうと考えているようです。
しかし、時効の条件を満たしていれば、法的に正当性を主張することで、裁判に勝つことができます。
(3)法律事務所と返済計画を相談
明らかに時効成立しておらず、返済の目処が立つ場合は、法律事務所に連絡をしましょう。
支払いの意思があることをきちんと伝え、支払い方法と期日を相談しましょう。状況によっては、分割払いにも応じてもらえます。
無視だけは避けましょう。突然、訴訟や差し押さえといった事態に発展してしまいます。
(4)債務整理を検討
どうしても支払いできない場合は、すぐに専門家と債務整理を検討しましょう。
一人で悩んで抱えてしまうと、すぐに裁判や差し押さえを受けてしまいます。また、利息で借金も膨らんでしまいます。
債務整理とは「借金の元本の減額や将来利息の免除などができる、国が認めた法的手続き」です。あなたの借金を整理して無理のない返済計画に見直し、生活を立て直す方法です。
毎年200万人以上(※推定)が債務整理で借金問題を解決しているとも言われています。
この債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停の4つがあります。
任意整理 | 裁判所を通さず、弁護士や司法書士が貸金業者と交渉することで、将来利息のカット(場合によっては元本の減額)によって月の返済額を抑える。無理なく返済を続けたい方におすすめ。リスクやデメリットが少なく、もっとも利用者が多い。 |
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個人再生 | 裁判所を通して、借金を原則5分の1に減額して、し、3~5年で完済する手続き。所有する家を残すことができるのも特徴。他の借金返済で住宅ローンの返済が圧迫されてしまっている方におすすめ。再生計画と継続した収入が必要。 |
自己破産 | 裁判所を通して、借金をゼロにする手続き。借り入れの総額が大きく、毎月の返済で生活すら圧迫されている方・人生の再スタートを切りたい方におすすめ。借金はなくなるが、家や車などの財産は失う。 |
特定調停 | 裁判所を通して、調停委員が貸金業者と交渉することで、元本の減額や利息のカットによって、借金を3~5年で完済する手続き。低額の予算で借金を何とかしたい方におすすめ。手続きが複雑で成功率が低い。 |
弁護士や司法書士と相談してあなたに合った手続きを行いましょう。
法律事務所から請求書が届いたらご相談ください
先ほどご紹介したように、借金を解決する方法はいくつもあります。それぞれにメリットとデメリットがあり、適用条件もあります。
これら全てをご自身で行うには多くの時間と労力がかかってしまいます。
しかし、通知が届いたということは、裁判や差し押さえの強制執行までそれほど猶予がありません。
また、借金には時効があります。この時効成立の有無も確認してもらえます。
さらに借金を必要以上に返済する過払いの有無も確認してもらえます。
もし少しでも自分一人では不安だと感じた場合は、闇雲に話を進めずにコモンズ法律事務所から届いた書面やメールなどをご用意して、弁護士・司法書士の無料相談を利用してください。あなたに最適な借金の解決方法を提案してもらえます。
専門家に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。
- 毎月の借金の返済が苦しい/借金が一向に減らない
- 債務整理したいが自宅だけは手放したくない
- 連日の督促・取り立てで精神的につらい
- 会社が倒産したので破産処理をしたい
- 債務整理に強い専門家に相談・依頼することで、厳しい督促が止まり、難しい手続きもサポートしてもらえる
どうしても心当たりがない場合
そうしても心当たりがなく、やはり架空請求が怪しいという場合は、以下の点をもう一度確認してみましょう。それでも思い出せない場合は、専門家に相談しましょう。
支払方法の勘違い
- 家族や関係者(友人、同僚)に支払いを依頼していたものの、これらの方々が支払いを忘れている。
- 別の代金・料金等への支払いを、当法人からの請求についても既に支払ったと勘違いしている。
- クレジット払いや着払いにしたつもりだが、誤って後払いを選択している。
- クレジット払いや口座振替を選択するも残高不足となり、未払いとなっている。
- クレジットカードの更新により、支払方法が後払いへ変更となっている。
- 誤った口座への入金のため、お支払いの確認がとれなくなっている。
特にクレジットカードは手続きから実際に反映されるまでに時差があるため、よく確認することをお勧めします。
定期契約に関する勘違い
- 解約前の料金に未払いがあることに気付いていない。
- 解約したつもりが、できていない(各会社との契約に基づくルールに従って解約する必要があるものの、ルールに従った手続がとられていない)。
- 他の発送月分と勘違いしている。
通信販売に関する勘違い
- 通信販売購入店名を忘れてしまっている。
- 購入商品名を忘れてしまっている。
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