借金滞納

日本保証と消滅時効の援用|ハガキが届いたら危険!裁判になる前に確認すべきこと

この記事のポイント
  • 日本保証は貸金業者
    日本保証は貸金業者です。事業継承によって武富士の借金回収もしています。そのため、直接借りていないからといって、架空請求と間違えないように注意しましょう。
  • 架空請求に要注意
    架空請求をする偽業者が報告されています。まずは慌てずに通知の「会社名」「住所」「電話番号」が正しいかを確認してください。
  • 安易に連絡しない
    最終支払日から5年/10年以上経過すれば時効が成立します。しかし、借金を認めるやり取りがあれば、時効期間はリセットされます。時効を中断させようとあらゆる手段を取ってきます。慎重に対応しましょう。
  • 時効が成立しない場合は「債務整理」を検討する
    時効が成立せず、どうしても返済ができない場合には、国が制定した借金の救済措置「債務整理」を利用することで安全かつ確実に借金問題を解決できる可能性があります。

日本保証とは

日本保証って何の会社?知らない会社から通知が届いて不安…

株式会社日本保証は、商工ローン(事業者金融業)、消費者金融、機関保証を営む貸金業者です。

もともとは商工ローンの日栄(ロプロ)でしたが、その後、会社更生や合併、商号変更を経て、現在の日本保証になっています。

日本保証が取り立てる借金の元債権者

株式会社日本保証は、2012年に武富士の消費者金融事業を吸収分割により承継しました。

そのため、武富士ステーションファイナンス(スタッフィ)などの借金を滞納していると、日本保証から書面やハガキで請求を受けることがあります。

差出人が「NH事務センター」となっていることもあります。

本当に借金の時効はあるのか

借りたお金は返すのが原則です。しかし、法律上は借りたお金を返さなくてもよくなる例外があります。

これは、「借金の消滅時効」といわれるものです。カード会社などの貸金業者からお金を借りた場合、最終返済日から5年で時効になります。

例えば、平成20年1月に借入れをして、平成23年1月で返済が滞った場合、5年後の平成28年1月に消滅時効が完成します。

ただし、最後の返済から5年が経過する前に債権者が裁判上の請求をしてきたり、債務者が借金の一部を返済した場合は債務の承認となり時効が中断します。

よって、時効の中断事由がない限りは、最後に返済してから5年経過で時効が成立します。

請求書が届いた場合の消滅時効

長年、借金を返済しないで滞納していると、日本保証(もしくは代理人の引田法律事務所)から請求書が届く場合があります。

日本保証から請求書が届いたら、まず消滅時効の援用ができるかどうかを検討しましょう。

身に覚えのない会社だから言ってと架空請求と間違えないように注意してください。

通知のタイトルは様々ですが、内容が借金の請求であることに変わりはありません。以下のタイトルで封書や圧着ハガキが届くことが多いです。

請求書の主なタイトル

  • 催告書
  • 通知書
  • 通告書
  • 確認書
  • 減額和解のご提案

請求書の中に、契約内容の表示があれば、そこに「期限の利益喪失日」「次回約定日」「最終約定弁済期日」といった項目があるかどうかをチェックします。

もし、その日付から5年以上経過している場合は、消滅時効の主張ができる可能性があります。

時効の援用ができるにもかかわらず、日本保証に連絡をしてしまうと、債務の承認をさせられて時効が中断してしまう恐れががあります。

いったん、債務の承認してしまうと、たとえ時効の援用ができるはずであった場合であっても、それまでの時効期間がすべてリセットされてしまいます。

債務の承認は、借金の一部弁済だけでなく、分割返済に関する話をしただけでも該当することがあるので、安易に連絡をしないようにご注意ください。

また、日本保証の代理人をしている「弁護士法人引田法律事務所」から青い封筒に入った簡易書留で受任通知書が届く場合がありますが、この場合もまずは時効の援用ができるかどうかを確認します。

通知書の中に「支払の催告に係る債権の弁済期」という項目があれば、その日付が5年以上前であれば時効の援用ができる可能性があります。

「減額和解のご提案」には1週間以内に連絡を頂ける場合は、損害金を免除した元金だけの支払いで済むようなことが書いてありますが、そもそも時効の援用ができるのであれば、元金部分についても支払う必要がないわけですから、借金が大幅に減額されているからといって安易に連絡をしないようにご注意ください。

一部でも返済してしまったり、同封されている回答書(もしくは債務承認兼相談申入書)に記入して返送してしまうと、消滅時効の主張ができなくなるおそれがあります。

また、電話で返済について話をしただけでも債務の承認となって時効が中断する可能性があるのでご注意ください。

もし時効の援用ができる場合は、内容証明郵便で通知する必要があります。自分で時効の援用をすることに不安がある場合は、経験豊富な弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

最終返済日から5年以上経過している可能性がある場合は安易に連絡することを避けましょう。

訴状や支払督促が届いた場合の消滅時効

裁判所から支払督促が届いた場合は、2週間以内に異議申立書を提出する必要があります。

なお、支払督促の中に、「期限の利益喪失日」の記載があるので、その日から5年以上経過していれば、時効の援用ができる可能性があります。

もしくは、支払督促申立書に添付されている計算書の最後の弁済日でも確認できます。

支払督促に同封されている異議申立書を裁判所に提出すると、支払督促から通常訴訟に切り替わり、改めて裁判所から口頭弁論期日を指定した書面が届きます。

その中に答弁書という書類が入っているので、第1回口頭弁論期日の1週間前までに答弁書を裁判所に提出しなければいけません。

ここで、注意しなければいけないのは、時効の援用ができるにもかかわらず、答弁書の「分割払いを希望する」という項目にチェックを入れてしまうことです。

分割払いを希望した場合、たとえ時効の援用ができるケースであったとしても債務の承認となって、それまでの時効期間がご破算になってしまうのでご注意ください。

答弁書で時効の援用をした場合、特に時効の中断事由がない限り、消滅時効の主張が認められ、請求棄却判決が出ることになります。

しかし、実務上は、時効の中断事由がないケースでは、原告の日本保証が訴えを取り下げてくることがほとんどです。

被告である債務者が取り下げに同意しなければそのまま裁判が進みますが、取り下げに同意した場合は改めて内容証明郵便で時効の援用を通知しておくと安全です。

これに対して、最後の返済からいまだ5年が経過していない場合は、時効の援用ができないので、分割で和解をするか、支払いができない場合は、国が用意している救済措置「債務整理」を検討します。

もし、支払督促が届いたにもかかわらず無視していると、判決と同じ効力がある仮執行宣言付支払督促が出てしまい、給与の差し押さえや預金口座への強制執行を受ける可能性があるので、時効の援用ができないからといって放置することはお勧めできません。

時効に関する手続きは、法的知識が必要な手続きであり、闇雲に対応すると危険なため、ご自身で対応するのに少しでも不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

弁護士や司法書士は、もし時効であれば確実に時効の援用をおこない、時効が中断している場合でも、適切に訴訟対応を行なってもらえます。

時効の可能性があるときに注意すべきこと

焦って電話をしない

日本保証から通知が届き、焦って連絡をしてしまう方もいます。

以下のように、相談したいことや交渉したいことがあると思います。

  • 請求内容に関する異議の申し立てをしたい…
  • 生活に支障が出るので、督促をやめてほしい…
  • 裁判だけはやめてほしい….
  • 会社や家族に連絡しないでほしい….
  • 保証人に連絡しないでほしい…

しかし、日本保証と直接連絡を取ることはやめましょう。

繰り返しになりますが、日本保証とのやり取りは、法的な交渉です。安易なやり取りがあなたに不利になる場合があります。

日本保証からの電話対応は要注意

日本保証からの督促の電話は、以下の番号から掛かってくることがあります。

これらの電話は、「時効の中断」が主な目的なので注意して対応しなければなりません。

日本保証の番号

  • 03-3630-2440
  • 03-6830-4570
  • 03-6830-4560

出典:jpnumber

電話連絡が来て、不用意に借金の存在を認めてしまう発言をしてしまうと、時効を迎えているかもしれないのに改めて支払い義務が生じてしまうかもしれません。

電話に出るときは「記憶が曖昧なので、一度調べてから折り返しします。」「確認するのでこちらから折り返しします。」などと対応することをおすすめします。

時効が曖昧な場合は、借金問題に詳しい弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

日本保証が時効を中断させるために行う主な行為

  • 債務の承認をさせる…借金を認めさせること
  • 一部返済をさせる…1円でも払えば、時効はリセットされる
  • 支払督促…異議が出なければ強制執行が可能で、異議が出れば裁判になる
  • 請求訴訟…「借金を返せ」との裁判を起こす

債務者が誤って時効を中断させてしまう主な行為

  • 電話で分割払いの話をしてしまう
  • 借金の一部を振り込んでしまう
  • 和解書や示談書にサインしてしまう
  • 借主(債務者)の方から借金の減額を持ち掛けてしまう

時効の援用が難しいときは「債務整理」

最後の返済から5年が経過していないことが明らかな場合は、消滅時効の援用はできないため支払いの義務があります。

そういった場合は、弁護士や司法書士に相談して「債務整理」を検討する必要があります。

債務整理とは、「弁護士や司法書士に依頼することによって、借金の元本の減額や将来利息の免除などができる、国が認めた法的手続き」です。

弁護士や司法書士が行う法的手続きをいうとハードルが高く、「自分には関係ない…」と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、債務整理は、基本的にどなたでも利用できる国の救済措置です。毎年200万人以上(※推定)が債務整理で借金問題を解決しているとも言われています。

この債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停の4つがあります。

4つの債務整理の概要
任意整理 裁判所を通さず、弁護士や司法書士が貸金業者と交渉することで、将来利息のカット(場合によっては元本の減額)によって月の返済額を抑える。無理なく返済を続けたい方におすすめ。リスクやデメリットが少なく、もっとも利用者が多い。
個人再生 裁判所を通して、借金を原則5分の1に減額して、し、3~5年で完済する手続き。所有する家を残すことができるのも特徴。他の借金返済で住宅ローンの返済が圧迫されてしまっている方におすすめ。再生計画と継続した収入が必要。
自己破産 裁判所を通して、借金をゼロにする手続き。借り入れの総額が大きく、毎月の返済で生活すら圧迫されている方・人生の再スタートを切りたい方におすすめ。借金はなくなるが、家や車などの財産は失う。
特定調停 裁判所を通して、調停委員が貸金業者と交渉することで、元本の減額や利息のカットによって、借金を3~5年で完済する手続き。低額の予算で借金を何とかしたい方におすすめ。手続きが複雑で成功率が低い。

弁護士や司法書士と相談してあなたに合った手続きを行いましょう。

債務整理とは、あなたの借金を整理して無理のない返済額にする方法です。

借金返済を楽にして、生活を立て直すことができます。苦しい借金生活を抜け出すために、ぜひ弁護士や司法書士にお気軽に相談してみてください。

日本保証の取り立てに関するお問い合わせ

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